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自律神経失調症と東洋はり!

自律神経失調にはり治療を。

自律神経とはどのようなものを言うのでしょうか?

まず、人間の神経系統を大きく分類すると、脳や脊髄など、神経活動の中心となる中枢神経系(これは、電話線にたとえると大元の本線に当たるものです)と、手足を動かす末梢神経系(これは各の家庭に引かれている個別回線のようなもの)とに分けられます。

これらは、自分の意思によって体を動かしたり制御したりすることが出来るため、運動神経とか、体制神経などと呼ばれています。

それに対して、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、汗を出したり、排尿・排便など、自分の意識とは関係なく働いているものを、自律神経と呼んでいます。その自律神経に交感神経と副交感神経という、アクセルの働きをするものと、ブレーキの働きをするものとがあります。

現代医学的な解説には、自律神経とは「血管、リンパ腺、内臓など自分の意思とは無関係に働く組織に分布する神経系のことであり、呼吸や代謝、消化、循環など自分の意思とは無関係で生命活動の維持やその調節を行い、絶えず活動している神経である。」としています。

その働きがなんらかの原因によって不調和をきたすと、「交感神経は代謝、消化などの生命活動を活発にする働きをし、副交感神経は交感神経とは全く逆の働きをする。人体ではおよそ12時間交代でこの二つの神経の優位が入れ替わるとされているが、夜更かしやストレスなどで脳を休める時間が減ると自律神経が興奮し、結果的に交感神経と副交感神経の優位入れ替わりのバランスが崩れるもの」を、自律神経失調症としています。

自律神経失調症の大きな特徴としては、自律神経の中枢は脳の視床下部というところにあり、この場所は情緒、不安や怒り等の中枢とされる辺縁系と相互連絡していることから、こころの問題も関わってくると考えています。

主な症状

めまい、冷や汗が出る、体の一部が震える、緊張するようなところではないのに脈が速くなる、血圧が激しく上下する、立ち眩みする、耳鳴りがする、吐き気、頭痛、微熱、過呼吸、生理不順といった身体症状から、人間不信、情緒不安定、不安感やイライラ、抑うつ気分など精神的な症状が現れることも多くなります。

自律神経失調症には様々な症状があり、どの症状がどれだけ強いのか弱いのかは患者それぞれで違います。そのため患者によっては、その他の症状はあまり強く現れないにもかかわらず、ある特定の症状のみが強く表れる場合もあり、症状は実に多岐に渡ります。

原因および発症

夜更かしをする事などによる自律神経の興奮、脳の疲労や、ストレスや更年期が原因のホルモンバランスの乱れ等が挙げられるが、遺伝的に自律神経の調整機能が乱れている患者も存在するため一概に言う事は出来ないとしています。しかし、少なくとも半数が日常生活のストレスにその病理の原因があると解説しています。

それでは、東洋はりで「自律神経失調症」はどのように考えているのでしょうか?

とうぜん、古来の考え方に自律神経などという存在はありませんでした。

しかし、2500年の昔から、陰陽調和を目的とするこの医学においては、治療そのものが自律神経のバランスを正常に保つための治療であると言っても過言ではないと思います。

それと、7情(喜び・怒り・悲しみ・思い・・憂い・恐れ・驚き)の乱れを重要視していますので、心と体との相関関係を考えていたものと思われます。(詳しくは鍼灸まめ知識病因論18をお読みください)。7情は5臓全てに関係し、怒りは肝、喜びは心、思いは脾、憂い悲しむは肺、恐れ驚きは腎にそれぞれ配当しています。

それらの感情を過ごしたときは、それぞれの臓腑が犯され、又それらの臓腑が病になると、それぞれ司っている感情の乱れが生じると考えています。

また、東洋はりでは、「気」は働きはあるが、形がないものとされ、そのことを自律神経の働きと捉えることも出来ます。更に、陰・陽で見ますと、陽は活動的で熱性となり、陰は消極的で寒性ということになりますので、これを交感神経と副交感神経の働きと捕らえることも可能なのかもしれません。

いずれにしても、この陰・陽のバランスが崩れ、経絡を循環している「気」の過不足で病気になると考えるのが、東洋はりの基本的な考え方ですので、当てはまらずとも遠からずという感じでしょうか。

このように現代医学では、自律神経の乱れとして処理されている症状であっても、もともと東洋はりでは、陰陽調和を図るのが治療目標ですので、「自律神経失調症」の治療としては、はりが最適ということになります。

「体がだるい」、「毎日いろいろな症状が出て不安」、「病因では原因が分からないため、満足な治療を受けられなかった」などなど、異常はないけれど、具合は悪いという貴方、だめもとではりをしてみてはいかがですか?

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