気血の役割
経絡治療における気血の役割
こんにちは。先回は東洋医学の特徴である気血についてご説明いたしました。
今回も気血についてのお話ですが、その気血が体にどのような役割を果たしているのかを説明したいと思います。
さあ。7枚目の扉を開けてみてください。
経絡治療では、気血は経絡の働きをまかなうもので、「その内外を運行し、全身の各部を栄養し、病変の回復を計って生命を維持し、生体を生長させ生命力(生き抜く力)の根源」としています。
その精製は口より体内に取り入れられた五味(食物)を胃の部で受けて、ろ過して栄養分(栄「血」)として全身にめぐらせ、大腸の部でさらに分解し、入らないものは、便となり、残ったものが、衛「気」となって、肺に向かい、空気から取り入れた自然の「気」と合わさって経絡に入り、各臓器と経絡を四六時中、絶間なく循環して留まることがありません。
この気血が12経絡に過不足なく平に巡っているときは、無病健康であり、内外の病因によってその巡りが犯されてゆがみや変動が現れると、その経絡の特長による多様な症状が現れてきます。この経絡の変動を補瀉(ほしゃ)し調整するというのが、東洋医学独特の病理観で治療理念となっています。
つまり、体を構成する全てのものを気血として考え、病気や症状も全て気血の変化によって引き起こされると考えているのです。
元気が良いのも気血の充実、病気にかかってしまったのも気血の不足、心が塞ぎこんでも気の問題と、全てこの気血という解釈で行なっているのです。
21世紀に生きている我々からすると、なかなか理解しにくいところだと思いますが、なんといってもこの医学は、今から3000年から2500年前の古人が考え出したものですので、今のように映像で確認するとか、電子エネルギーなどとは無縁なところから発信されているものとご理解ください。