経絡(けいらく)のお話
経絡ってなあに?
先回は五行についてお話させていただきました。今までお話してきた陰陽/5行という東洋医学の基礎理論を用いて鍼灸術に応用したのが、経絡(経穴)ということになります。今回は、その経絡(経穴)についてお話しをします。さあ。13枚目の扉を開けてみてください。
経脈とか絡脈を合わせて経絡と言っていますが、これには12の系統があり、気血を通じて体を支配しています。つまり、全身の栄養、生殖、疲労回復、病気予防など、生命活動を全てコントロールしています。
これには、常経と奇経がありますが、常経は12経絡あり陰陽に分かれて手に6本、足に6本、陰陽が組み合わされています。
また、陰陽の組み合わせのない奇経には8系統あり、奇経8脈と呼んでいます。
1.常経
皆さんは経絡というと表面にある1本の線をイメージされるかもしれませんが、経絡には内経と外経があり、それぞれの幅と深さと広がりを持って12の系統を支配しています。これを誠経とも呼んでいます。
内経は深く内側を巡り、内部にまで通じて5臓6腑をまとい、その生命活動を司っています。
外経は所属するケイ経穴を連ねて進み、その分担する領域の生命活動を司っています。我々が鍼やお灸をするところが外経にある穴ということになります。
この12本のけいらくに、肺経・大腸経・胃経・脾経・心経・小腸経・膀胱経・腎経・心包経・三焦経・胆経・肝経があり、この順番で気血を循環させ生命活動を維持しています。
尚、経絡は常には潜在的で、これが病気や健康を損ねたときに変動してはっきり現れます。最も著名に現れるところが経穴ということになります。
2.奇経
これは「常経に気血満いつするときは奇経がこれを受けて補正する」となっているので、排水路のような働きをするものと考えてください。
これに、陽い脈・陰い脈・陽きょう脈・陰きょう脈・帯脈・しょう脈・徳脈・任脈があります。
このようにして、12経脈にも奇経8脈にも各々枝別があり絡脈などによって、ところどころに連絡し全身をくまなく支配することが出来るのです。
この流れを調整することを目的とした治療法を経絡治療と呼んでいます。
今回はこの辺で失礼します。