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証(あかし)決定のお話その3

証決定の次の手順について

今回は更にお話を進め、証決定の次の手順についてお話したいと思います。さあ、34枚目の扉を開けてみてください。

第1段階で使用する鍼や中心となる治療の仕方などを、決定したならば、次に患者さんから問診などで得られた情報をもとに、経絡説に基づいて弁別します。

これを「病症の経絡的弁別」と呼んでいます。弁別するには、5臓の色対表、12経病、経絡のるちゅう(道筋)、走行などを参考にして診察を進めていきます。

たとえば、「肋膜炎を訴える患者さん」を例に、症状として、顔色青白く、体痩せて、疲れ・咳嗽・発熱・胸痛・食欲不振・頭痛・咽喉痛み・胃部張るなどを表していると仮定します。

これらの症状を経絡的に弁別しますと、青白い顔色の中で、白い歯、肺の色、咳嗽は肺経。体痩せて疲れ食欲不振は、脾経。咽喉痛みは大腸経。顔色青い胸痛頭痛は肝・胆経。胃部張るは井経。発熱は心経などに弁別できます。

これは、経絡的変動として肺・大腸(金)、脾・胃(土)、肝・胆(木)、心(火)4期7経にわたる症候を呈すると考えます。

その治療には工夫を要し期間もそうとうかかると思われます。

そのほか、痛みの場所や機能不全、麻痺、腫物などがあったばあいは、その場所を経絡の走行に当てはめたり、筋肉ならば肝、血管ならば心、肉ならば脾、皮膚ならば肺、骨ならば腎と経絡が支配する組織として、見ることも大切となります。

また、救急法としてや補助療法としては、該当する経脈のるちゅうや病症が大きくかかわってきますので、さらに細かな観察が必要となります。

しかし、弁別は見方や考え方でどのようにも配当することが出来ますし、細かく分けていけば、いくらでも細かくできます。もし、この弁別の段階で間違って分けた場合には、正しい主証になっていかないので、慎重に行われなければいけないと思っています。

今回はこの辺でお話を終わりとさせていただきます。

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