陰陽のお話1
陰陽について
皆さん、こんにちは。今回からは、東洋哲学の最も根本となる陰/陽についてお話を進めていこうと思います。
陰/陽というと皆さんどんなイメージがありますか?
「あの人は陰気な人だ」とか、「陽気で明るい人だ」などと皆さんも使ったことがあるかと思います。その陰/陽なのです。陰気/陰険/陰惨など「陰」はあまり良いイメージで使われてはいないようです。
それに対して、陽気/太陽/向陽など、「陽」は活動的で外へ向かって発進していくような、エネルギー溢れるイメージではないでしょうか?
それは、当たらずも遠からずで、間違ってはいませんが、正しくもないイメージなのです。
東洋哲学では、「真ん中」、「程ほど」、「調和]という基準があり、それがベースとなって物事を見たり考えたりしていきます。
一つの基準になる点や線が存在して、それよりも「こちら側」、「反対側」、「左側」、「右側」、「上」、「下」など二つのグループに分けられたものが「陽」、「陰」としています。
Aグループ、Bグループとほとんど同じと思っていただいて間違いはないと思います。全ての物事をこの「陰/陽」に大別しているのです。
- 天は陽、地面は陰。昼間は陽、夜は陰。
- 晴れた日は陽、雨の日は陰。
- 頭は陽、足は陰。左は陽、右は陰。
- 上は陽、下は陰。男は陽、女は陰。
- 屋外は陽、家の中は陰。外は陽、内は陰。
- 暖かい食べ物は陽、冷たい食べ物は陰。
- お湯は陽、水は陰。夏は陽、冬は陰。
- 山は陽、海は陰。
などなど、ある一定の基準を設けてそれを対比させたものがこの「陽/陰」ということになります。これをさらに陽の中にも陽/陰に分け、陰の中にも陽/陰に分けることが出来ます。(陰中に陰陽あり、陽中に陰陽あり)
男は陽と書きましたが、積極的で活発な人は陽、静かで慎重な人は陰ということで陽中の陽/陰に分けることが出来ます。女は陰となりますが、男と同様に勝気で男勝りの性格の人は陽、おとなしく内気な人は陰ということで、陰中の陽/陰に分けることが出来ます。
あなたはどちらの要素が多いでしょうか?
あなたの旦那さん、奥さんはどちらのほうですか?
「亭主関白、かかあ天下!」これは、どちらも陽だからぶつかり合って少し困りますね。世のお父様方、家ではおとなしく奥さんに従っていると、陰/陽のバランスが取れて家庭円満ということになるかもしれませんよ。
奥様方も、わがままで外面の良い亭主であれば、家でもぐっと堪えてお父さんを立ててあげると、陰/陽の調和を乱すことなく平和な家庭生活になりますから、心がけてはいかがでしょうか?
陰陽のもう一つの考え方
陰陽の考え方にもう一つ面白いものがあります。それは、陰、極まれば陽となり、陽、極まれば陰となるということです。今、世の中は不景気で出口が見えない、先行き不安な状態です。
これを東洋的に考えますと、陰の状態です。しかし、何時までも悪い状態は続きません。必ず陰が極まって陽の方向へ向かいますので、また景気が良くなることは間違えありません。この自然の摂理を私たちも信じて日々の生活を送っていきましょう。
天気は毎日良い天気ばかりではありませんね。雨が降ったり雪が降ったりしますね。しかし、それも何時までも続くことはありません。かならず又晴れの日が訪れます。
お月さまも満月となり徐々に欠けて生きます、それが又徐々に満月に向かって広がっていくのです。海においても塩の満ち欠けがあり、満潮時、干潮時というものがあります。
この法則は、今良い状態の人は、それにあぐらをかくことなく、自らを戒めて生きて生きなさいということであり、今、悪い状態の人は何時までも悪いことは続かないと信じて明日は良くなると思って生きる希望をもっていきましょうということになるのではないかと私は考えています。
今回はこの辺でお話を終わりにしようと思います。次回もこの陰陽についてのお話をさせていただく予定です。