肩関節周囲炎(50肩)の症例
肩関節周囲炎(50肩)の症例をご紹介いたします。
1例:71歳男性、肩関節周囲炎の症例
1年前から肩が痛く、ひもを結ぶような動作をしたときに痛みがある。夜中目覚める。高血圧がありました。
体の状態と症状としては、皮膚はなめらか暖かい、左ナソ虚、右ナソにキョロ所見。左肩上が冷たい、肩こり、肩の痛み、左足の痛み、目覚めやすいなどがありました。左肩関節周囲炎と診断しました。
治療としては、夜に痛むというのは、体が冷えてくると痛みだすということで、患部をよく温めることが大切であると思いました。患部の温灸や、手のツボを用いて、治療を行いました。夜の痛みが改善され、動かしても痛まなくなりました。
2例:55歳の男性、肩関節周囲炎の症例
何年も前から肩甲骨後ろ側に痛みがある。横から腕を上げた時に痛みが出るとのことでした。
体の状態と症状としては、左右の肩板炎、硬縮がある。 皮膚はなめらか暖かいなどでした。肩関節周囲炎と診断しました。
何年も悪くてしかも左右に痛みもあり、筋肉の硬縮もありましたので、かなり手こずる症例だと思いました。
治療としては、背中側をよく治療して、陽谷にお灸を行いました。同じような治療を3回続けて、肩関節の痛みが取れ、5回の段階で、衣服の着脱時も痛みがないということで、完治としました。
3例:52歳の男性、肩関節周囲炎の症例
昨年の5月ごろより欝状態になり、右肩にいたみがある。眠りが浅く足がほてる。動悸不安とのことでした。
既往症として、坐骨神経痛、腸閉塞で2回手術をうけたことがあるそうです。体の状態は、足裏に汗、冷たい。皮膚は全体的にこそう。右肩関節の冷え。 右肩関節痛/欝状態/喉が渇く/不眠/不安/足の火照りと冷え/立ちくらみ/動悸がありました。右肩関節周囲炎/欝病と診断しました。
初診時は休職中で、早く治りたいということで、集中的に通院されました。鬱状態の改善を中心に、眠れるようになること、不安感を取り除くため、治療を勧めました
7回目ころより眠れるようになり、薬の服用も減らしていきました。肩の治療は、以後、適宜行い、特に肩甲骨内縁の圧痛や頸に対してお灸を行いました。
治療開始、半年、30回を超えたころより、肩、腕のいたみを訴えなくなり、以後は、体調管理のため、2年間治療を行いました。
4例:64歳の男性、肩関節周囲炎の症例
3年前から左肩が痛み出したが、その都度もんだりして過ごしていた。最近朝起きたときに筋肉がこわばりがありました。
体の症状としては、左右のナソ部にキョロ所見。皮膚はやや乾燥気味。左背中の筋肉の緊張。 目覚めやすい、喉の渇き、頻尿、肩関節の痛み、鼻つまり/痰が切れにくい/喉口の渇き/左耳が聴こえない/痒みなどがありました。左肩関節周囲炎(50肩)と診断しました。
治療としては、頸を中心に、肩関節にお灸、2回目から外関・臨泣に奇経灸を使い、改善しました。
5例:50歳の男性、肩関節周囲炎の症例
半年前から頚から腕が痛くなり、病院で頚の手術を受ける。腕を上げたり後ろに持っていくと痛みがあるとのことでした。
体の症状としては、左ナソにキョロ所見体全体が冷たい。 頚肩凝り/腰痛/痰が切れにくい/夜痛みで目覚めるなどがありました。/左肩関節周囲炎(左50肩と診断しました。
治療としては、肩関節の前側、陽谿に温灸を行いました。、三日に一度のペースで通院してもらい、5回目で、夜の痛みが楽になり始め、9回目のころより、可動域も広がってきました。
17回の段階で肩、腕の痛みがなくなりましたので、完治としましたが、以後、2週間に一度の継続治療を行い、1年半通院されました。